2015.03.13
以前、確定申告により税金が還付されるケースとして「医療費控除」という制度を
ご案内しました。
今回は、実際に医療費控除の対象となる医療のうち「介護」についてお話させていただきます。
まず、介護サービスは大きく分けて、「医療行為」と「福祉行為」に分けられます。
さらにサービスを受ける場所によって、ご自宅等の居宅で受ける「居宅サービス」と、
施設に入居して受ける「施設サービス」とがあります。
同じサービスを受けていても、居宅サービスと施設サービスとでは医療費控除の対象
となるサービスは異なります。
さらに、医療行為と福祉行為とで医療費として認められる金額にも違いがあるため
ご自身で医療費控除の対象金額を計算することは困難です。
一般的には介護サービスを行う事業者が発行する領収書上に医療費控除の対象となる金額が
明記されていますのでご安心ください。
領収書にそのような記載がない場合は、医療費控除の対象となるものがないか事業者へ確認
していただく方が良いと思います。
介護サービスを行う事業者への支払とは別で、要介護者に必要なものとして
「おむつ代」があります。実際に病院などへの支払ではありませんが、
要件を満たしていればおむつ等の購入費用も医療費控除の対象とすることができます。
おむつ代を医療費控除として計上する要件は、
①おおむね6か月以上寝たきりであること、
②医師からおむつの使用証明書を書いてもらうこと、
③おむつ代の領収書と②の使用証明書を確定申告書に添付すること となっています。
②の証明書には必要期間が記載されており、
その期間中のおむつ代について医療費控除の対象となると考えられます。
証明書の期間とおむつ代の領収書の期間が離れすぎていると、証明書が添付してあっても
医療費控除の対象とはならないことがありますのでご注意ください。
寝たきりの状態になった要介護者はその後も引き続き寝たきりの状態が続くことが
予測されることもあり、2年目以降については上の要件が少し緩和されています。
②の証明に変えて、市町村等が交付する「おむつ使用の確認書」という書類をもって
医療費控除の対象とすることができます。
医師に証明書を発行してもらう手数料も毎年となると馬鹿にできませんので、
手間かとは思いますが有効活用してもらえればと思います。
確定申告をすることで医療費控除を活用することができますが、
要介護者もある程度の年齢となれば収入は限られており、
医療費控除で税金の還付を受けることができないケースも予測されます。
医療費控除は必ず本人で行わなければならないわけではありませんので、
ご家族の方で税金の還付が見込まれる場合、
その方で医療費控除を申告できるか確認してみるべきかと思います。
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医療費控除について、以下のブログでも紹介しています。ぜひご覧ください。
【医療費控除①】実際に控除を受けるにあたっての事前準備
【医療費控除とは?②】医療費控除の有効な利用方法について
【医療費控除とは?③】入院時の対象となる請求内容について
【医療費控除とは?④】制度の注意点について
【医療費控除とは?⑥】差し引かれる保険等について
【医療費控除】薬局で買った風邪薬は対象になる?
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