厚生労働省が令和7年7月4日に出した連絡内容を、解説致します。
(適用開始:令和7年10月)
- 何が変わるの?
健康保険で「被扶養者(家族の扶養に入れる人)」かどうかを判断するとき、
19歳以上23歳未満(=その年の12月31日時点で19~22歳)の方については、
年間収入の基準が「130万円未満」から「150万円未満」に引き上げられます。 - なぜ?
令和7年度の税制改正で、税金上の扶養(特定親族特別控除など)の見直しが行われるため、
健康保険の扶養判定基準もそれに合わせて調整されます。 - 学生かどうかは関係ある?
学生かどうかは問いません。働いている・いない、在学中・既卒を問いません。 - 配偶者は対象になる?
なりません。被保険者(扶養する側)の「配偶者」はこの特例の対象外です。
配偶者は従来どおり通常の基準(原則 年間収入130万円未満 ※一部例外あり)で判定されます。 - 「年間収入」とは?
原則として、今後1年間(向こう12か月)の見込み収入で判断します。
通勤手当や各種手当を含む「総収入」で見るのが基本です。
時給やシフトが増えて基準を超えそうな場合は早めにご相談ください。 - いつから?
令和7年10月1日以降の認定・確認手続から、新しい基準が適用されます。 - こんなケースは要注意
- 年の途中で時給アップ → 年収見込みが150万円を超える可能性
- 掛け持ち(複数バイト)で合算すると超える
- 賞与(ボーナス)見込みを入れると超える
- 150万円未満だが社会保険加入が義務付けられる働き方になった(週の所定労働時間など)
→ 勤務先の健康保険に加入する必要が出るケースもあります。
- 変更で何がメリット?
これまで年収見込みが130万円を少し超えるために扶養から外れていた19~22歳の方が、
150万円未満であれば引き続き(または新たに)被扶養者になれる可能性があります。 - 手続のポイント
- 基準引き上げ後に該当しそうな方は、10月以降に再確認を申し出るとよい場合があります。
- 会社を通じて健康保険組合または協会けんぽへ「被扶養者異動届」を提出します。
- 収入証明(給与明細・雇用契約書など)の提出を求められる場合があります。
- 簡単な収入ラインの目安
時給1,050円で週25時間働く場合
1,050円 × 25時間 × 52週 = 約136万円 → 新基準なら扶養内の可能性
時給1,100円で週28時間働く場合
1,100円 × 28時間 × 52週 = 約160万円 → 新基準(150万円未満)を超えるため扶養不可
- ご注意
- ここでの説明は一般的な内容です。健康保険組合ごとに追加書類や細かな運用が異なることがあります。
- 「被扶養者認定」と「税法上の扶養控除」は制度が別です。両方の条件を満たすかは個別に確認が必要です。