2022.01.07
確定申告には、青色申告と白色申告というものがあります。
青色と白色では、確定申告で必要となる書類に違いがあるなど、さまざまな違いがあります。
この記事では、青色申告と白色申告の特徴や、それぞれのメリットとデメリットを解説します。
青色申告制度とは、日々の取引を所定の帳簿に記帳し、その記帳に基づいて正しい申告をすることで、所得の計算などについて有利な取扱いが受けられる制度です。
・青色申告をすることができるのは、事業所得等のある方です。
・青色申告をしようとする方は、原則としてその年の3月15日までに「青色申告承認申請書」を納税地の所轄税務署長に提出してください。
・青色申告者には、数多くの特典があります。その主なものは次のとおりです。
事業所得又は不動産所得を生ずべき事業を営む方が、正規の簿記の原則に従い記帳し、その記帳及び損益計算書等(青色申告決算書)を確定申告書に添付し、確定申告書を提出期限内に提出する場合は、これらの所得を通じて最高55万円又は65万円(電子帳簿保存の要件を満たした場合等)を控除することができます。
以上の要件を満たさなかった場合でも、事業所得又は不動産所得又は山林所得について、10万円の控除が認められる場合があります。
青色申告者と生計を一にしている配偶者やその年の12月31日現在で15歳以上の親族で、その事業に専ら従事している人(青色事業専従者)に支払った給与は、一定の要件を満たした場合は、あらかじめ納税地の所轄税務署長に提出した届出書に記載された金額の範囲内で、青色事業専従者の労務の対価として適切な金額であれば必要経費とすることができます。
事業に損失がある場合、その年のほかの所得と通算し、それでも控除しきれない金額を翌年以降の3年間に発生した所得の黒字と相殺できる制度です。
通常10万円以上の資産は使用できる期間にわたって費用計上しますが、青色申告をしている場合30万円未満のものまで一括で減価償却が可能です(令和6年3月31日までに取得した資産に限る。)。ただし、当該減価償却資産の合計額は年間で300万円までが限度です。
プライベートと事業で共用している家賃や光熱費、通信費やガソリン代は家事按分をすることで経費として計上することができます。
これは、実際上はいわゆる白色申告者であっても青色申告者と同様の扱いを受けることとされています。(所得税法施行令96条。所得税法基本通達45-1、45-2。)
よって、白色申告でも経費計上は可能なのですが、普段から経費をまとめておいた方が容易に経費計上が可能できるでしょう。
一般的に白色申告の方が容易である一方、節税メリットは青色申告の方が多いと言われています。
白色申告のメリットは、とにかくシンプルな点です。
青色申告のように事前に申請を行う必要がありません。
帳簿の義務付けはあるものの、簡易簿記でよいため比較的作業がシンプルで簡単です。複式簿記による帳簿や青色申告決算書などは必要なく、簡単な記帳による収支内訳書の提出のみで済みます。青色申告決算書と比較すると、記入項目が少なく計算も楽なので、書類を作成する負担はかなり少ないと言えるでしょう。記帳する内容は、売上先や金額などの収入、必要経費などで、特に簿記の知識がなくても対応できます。
白色申告のデメリットは、青色申告のような特別控除や、税金を軽減する特典が適用されない点です。確定申告では、年間の合計所得から所得控除を差し引いた金額に税率をかけて納税額が決定されていきます。このため、控除額が大きい方が節税できるのです。
確定申告には青色申告と白色申告の種類があり、必要な手続きや帳簿のつけ方、節税のメリット等様々な違いがあります。
青色申告 (10万円控除) |
青色申告 (55万円または65万円控除) |
白色申告 | |
対象者 | 青色申告承認申請書を税務署に提出し、青色申告の承認を得た人 | 青色申告の承認を受けていない人 | |
記帳方法 | 簡易簿記(単式簿記) | 複式簿記 | 簡易簿記(単式簿記) |
必要な帳簿(例) | ・現金出納帳 ・売掛帳 ・買掛帳 ・固定資産台帳 ・経費帳 |
・総勘定帳 ・仕訳帳 ・現金出納帳 ・売掛帳 ・買掛帳 ・固定資産台帳 |
・法定帳簿 ・任意帳簿 |
提出する書類(例) | ・確定申告書B ・青色申告決算書 |
・確定申告書B ・青色申告決算書 ・損益計算書、貸借対照表など |
・確定申告書B ・収支内訳書 |
青色申告と白色申告には、それぞれのメリット・デメリットがあります。
簡単にいえば、青色申告のメリットは税金面での大きな優遇を受けられること、そして白色申告のメリットはその手軽さといえます。
それぞれのメリット・デメリットを比較し、事業に合わせて適切な申告方法を選択するようにしましょう。
いかがでしたでしょうか?
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