2012.10.08
【2012年10月8日】
税務調査において、
従業員が仕入業者からリベートを受け取っていたことが判明した場合、
このリベートは、法人の収入に計上したうえで、
その従業員に対する給与として取り扱わなければならないのでしょうか?
それとも、そのリベートは従業員個人に帰属するものとして、
法人の収益に計上する必要はないのでしょうか?
この件につき、
仙台地方裁判所-平成21年(行ウ)第33号 平成24年2月29日判決の事例を
ご紹介し解説致します。
本事例は旅館業を営む法人(原告)の総料理長が、
仕入先に自分がもらうリベートを上乗せして取引を行い、
その後上乗せ分を仕入業者からリベートとして受け取ったというものでした。
課税庁は、
リベートは法人に収入されるべきものであったとし、
青色申告の承認取り消し処分、法人税、消費税の更正処分を行いました。
処分庁は、
料理長の権限や原告の指揮命令系統等を勘案し、
実質的に原告がリベートを受領しているとみることができるか否かを
検討することが相当であるとしました。
そして、本件の場合は、
総料理長に仕入に関する決定権限がないことや、
就業規則においてもリベートの受け取りが禁止されていること等から、
総料理長は法的にリベートを受け取る権限があったとは認められないとしました。
よって、課税庁が主張するように、
原告の収入に計上したうえで、その従業員に対する給与を支払ったとして取り扱うのではなく、
そのリベートは従業員個人に帰属するものとして、原告の収益に計上する必要はないとしました。
勿論、類似するような状況においても、
全く同じ判決が行われるとは限りませんが、
あくまでも個別事案の研究材料として、
今回の事例は大変興味深い内容となっています。
【2013年4月27日】今回は、被相続人(相続される人。つまり一般的には亡くなった人)の遺族が受け取る退職金の課税関係をについて解説致します。 退職金で死亡後3…(続きを読む)
【2012年7月21日】公示地価とは? 地価公示により公示された「標準地」の価格のことです。もっとも代表的な土地評価である地価公示は、地価公示法にもとづき、国土…(続きを読む)
【2012年11月18日】今年も年末調整の時期がやってきました。今回の年末調整で最も注意すべき点は、改正初年度である生命保険料控除の計算です。証明書をしっかり確…(続きを読む)
【2013年3月17日】平成26年4月1日から消費税率が8%に引き上げられることになりました。新税率への移行に伴い様々な経過措置がございます。今回はそのうち代表…(続きを読む)
法人が本店とは別に支店を作った場合、法務局への登記は必要なのでしょうか? 支店と言っても、規模は様々です。 大きな建物を構えて営業する場合もあれば、単にコワーキ…(続きを読む)
本店に実態がない場合の納税地は、どこになるのでしょうか。 例えば、本店は東京で、支店が岡山にあるとします。 この場合、本店で事業を行っていなくとも…(続きを読む)